タイヤ扁平率とは?扁平率上げ下げによるメリットとデメリットを解説
近年、トラックやバス、自動車のタイヤ扁平率は低い傾向にあります。
その理由は、見た目の印象と操作性などに影響するからです。
しかし、扁平率について詳しく知らない人が多いのではないでしょうか。
この記事では、タイヤの扁平率とは何か、また、扁平率の上げ下げによるメリットとデメリットを解説します。
タイヤの扁平率とは
タイヤの扁平率とは、タイヤを横から見た時の断面の高さを、断面幅で割った数値に100を掛けた値です。
扁平率50以下の低扁平タイヤは薄くなるため、接地面積が広くなります。
一方、扁平率50以上の高扁平タイヤは厚くなり、接地面積が狭くなります。
扁平率の計算方法
扁平率は、タイヤ断面の高さ÷タイヤ断面幅×100で計算できます。
また、タイヤ側面や運転席側のドアの内側を見ることでも扁平率を知ることができます。
205/55R16 91Hのような数字とアルファベットが刻印されているのを見かけた方もいるでしょう。
これは、タイヤの幅や扁平率を表すものであり、詳しくは以下のような意味になります。
- 205はタイヤの幅(mm)
- 55は扁平率(%)
- 16はホイールのサイズ(インチ)
- 91はタイヤの負荷指数
- Hはタイヤの速度記号
低扁平化が進んでいる背景
低扁平化が進んでいる背景として、海外市場の拡大や車の大型化が挙げられます。
大型のSUVでも、低扁平タイヤにすることで走行が快適になるため人気があります。
【メーカー別SUVのタイヤサイズ一覧】
車種(メーカー) | 扁平率 |
トヨタ ライズ(X) | 65 |
ホンダ ヴェゼル(G) | 60 |
スバル フォレスター (ツーリング) | 60 |
ダイハツ ロッキー(L) | 65 |
日産 キックス(X) | 55 |
マツダ CX−30(20S) | 55 |
三菱 エクリプスクロス(M) | 70 |
昔の車のタイヤは扁平率80前後が主流でしたが、最近はセダンでも55〜70、スポーツカーでは40程度に低下しています。
また、乗用車だけに留まらず、トラックやバスも70前後と低い傾向にあり、現在ではメーカー純正で採用されるケースも増えています。
タイヤの扁平率を下げるメリット
ここでは、タイヤの扁平率を下げるメリットを解説します。
ブレーキの安定性が増す
ブレーキを踏んだ時のタイヤのたわみが少ないほど、安定した状態でしっかりと止まることができます。
これは摩擦面積が大きく、ブレーキの効きが良くなるためです。
コーナリング性能に優れている
タイヤの扁平率が低くなると、タイヤの接地面積が大きくなります。
接地面積が大きいほど、横向きの力に耐えて車を曲がらせようとする力が大きく働くため、コーナリング性能に優れていると言えます。
ドレスアップに向いている
インチアップをすれば、大きいホイールを取り付けられるため、より目立たせられます。
デザイン性の高いホイールを装着したい人やスタイリッシュさが欲しい人は、ぜひ扁平タイヤを装着しましょう。
タイヤの扁平率を下げる際の注意点
ここでは、タイヤの扁平率を下げる際の注意点を解説します。
乗り心地が悪くなる
タイヤの中の空気の量が少なくなることで、タイヤのクッション性能が低くなります。
路面の衝撃を吸収する能力が低下して乗り心地が悪化するので、過度なインチアップは避けるようにしてください。
なお、扁平率65ぐらいが乗り心地が良いと言われています。
タイヤの摩耗が早くなる
低扁平タイヤは、衝撃吸収率が低下するため、タイヤの摩耗が早くなるというデメリットがあります。
タイヤを少しでも長く使いたいという方は、扁平率の高いタイヤを選ぶことをおすすめします。
燃費が悪くなる
タイヤの転がり抵抗が大きくなることや、タイヤの幅が広くなりホイールのサイズアップに伴う重量の増加は、燃費の悪化につながります。
近年ガソリン代の高騰が続いているため、燃費を気にされる方は多いのではないでしょうか。
そんな方は、低扁平のタイヤはなるべく避けるのが無難です。
バーストに繋がる恐れがある
タイヤのバーストは、空気圧不足が原因で起こります。
インチアップするとタイヤの厚みが少なくなり、内部の空気の量も少なくなります。
同じ量の空気が抜けたとき、インチアップした低扁平タイヤの空気圧は大幅に下がりやすく、バーストのリスクが高くなります。
インチアップした低扁平タイヤは、ノーマルタイヤよりも空気圧のチェックをこまめに行ってください。
タイヤの扁平率を上げるメリット
ここでは、タイヤの扁平率を上げるメリットを解説します。
乗り心地が向上する
タイヤのサイドウォールが厚ければ、路面からの衝撃を吸収しやすくなります。
例えば、タイヤの扁平率が60%から70%に上がると、サイドウォールの厚さは約1cm増加します。
指でタイヤを押してみると、ゴムが沈み込む量が少ないことを実感できます。
乗り心地を重視したい方は、扁平率が50%以上のタイヤに変更しましょう。
安く購入できる
インチダウンすると、タイヤの扁平率が高くなり、タイヤ幅が細くなります。
インチダウンとは、ホイールの径を小さくするカスタマイズのことです。
一般的なタイヤと比較して高額になりがちなスタッドレスタイヤをインチダウンすることで、価格を抑えることができます。
燃費が良くなる
タイヤの接地面積が小さければ、転がり抵抗が小さくなり燃費が向上します。
ガソリン代を節約したい方は高扁平タイヤがおすすめです。
タイヤの扁平率を上げる際の注意点
扁平率を上げることで、たくさんのメリットがありました。
一方でデメリットもあります。
コーナリング性能が劣る
扁平率を上げると、タイヤがたわみやすくなるというデメリットがあります。
タイヤがたわむことで、カーブでのハンドリング性能が低下、スポーツ走行には向かないと考えられます。
スタイリッシュに欠ける
高扁平タイヤはタイヤの直径が小さいため、ホイールハウス内に収まるようにタイヤの幅を広げなければなりません。
そのため、タイヤのサイドウォールが厚くなり、タイヤの形状が丸みを帯びてしまいます。
丸みを帯びたタイヤは、スポーツカーや高級車などのスタイリッシュな車には似合わないことが多いです。
まとめ:扁平タイヤは北陸リトレッドにお任せください。
タイヤの扁平率は、タイヤの乗り心地や燃費、ハンドリング性能に大きく影響します。
高扁平率のタイヤは、乗り心地が良く燃費性能に優れていますが、ハンドリング性能は低下します。
一方、低扁平率のタイヤは、ハンドリング性能に優れていますが、乗り心地が悪く燃費性能は低下します。
タイヤは、車の運動性能を引き出す重要なパーツです。
ドレスアップだけでなく、安全性や走行性能にも注目して、自分に合ったタイヤを選びましょう。
また、近年トラックに低扁平タイヤが装着されるケースが増えています。
これは、外径が小さいタイヤを装着することで、荷物室の高さを拡大し、容積を大きくするためです。
北陸リトレッドでは、扁平タイヤのラインナップを拡充しています。
タイヤのご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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